協働ロボット(コボット)とは?産業用ロボットとの違い、導入メリット、主要メーカーを徹底解説【2026年最新】

協働ロボット(コボット)とは?産業用ロボットとの違い、導入メリット、主要メーカーを徹底解説【2026年最新】 AIサービス・モデル

協働ロボット(コボット)は、人間と同じ空間で安全に作業できるロボットです。Universal Robots、ファナック、安川電機など主要メーカーの製品比較から、導入コスト、安全規格、活用事例まで徹底解説します。

協働ロボット(コボット)とは

協働ロボット(コボット)とは

協働ロボット(Collaborative Robot、通称コボット)とは、安全柵なしで人間と同じ作業空間で稼働できるロボットの総称です。従来の産業用ロボットは安全柵で隔離する必要がありましたが、コボットは安全センサーと力制御技術により、人との接触時に即座に停止します。

従来の産業用ロボットとの違い

項目 従来の産業用ロボット 協働ロボット
安全柵 必須 不要(条件による)
可搬重量 〜1,000kg以上 〜35kg程度
速度 高速 低〜中速
プログラミング 専門技術者必要 直感的操作可能
導入コスト 高額 比較的安価
設置期間 数ヶ月 数日〜数週間

市場規模と成長

協働ロボット市場は急成長しており、2025年で約20億ドル、2030年には100億ドル(約1.5兆円)に達すると予測されています。人手不足、製造業のデジタル化、中小企業への普及が成長を牽引しています。

協働ロボットの安全基準

協働ロボットの安全基準

協働ロボットの安全性を担保する規格と基準を解説します。

ISO 10218とISO/TS 15066

協働ロボットの安全基準は、国際規格で定められています。

  • ISO 10218:産業用ロボットの一般安全要求事項
  • ISO/TS 15066:協働ロボット固有の安全要求事項

4つの協働モード

ISO/TS 15066では、協働ロボットの4つの運用モードが定義されています。

  • 安全監視停止:人が協働空間に入ると停止
  • ハンドガイディング:人が手で導いて動作
  • 速度・位置監視:人との距離に応じて速度制御
  • 力・出力制限:接触時の力を制限(最も一般的)

接触許容値

ISO/TS 15066では、身体部位ごとの接触許容値が定められています。例えば、頭部への接触力は最大130N、胸部は最大280Nまでと規定されています。コボットはこれらの値以下で動作するよう設計されています。

主要メーカーと製品

主要メーカーと製品

協働ロボット市場の主要プレイヤーを紹介します。

Universal Robots(デンマーク)

協働ロボットのパイオニアで、市場シェア1位。2005年設立、2015年にTeradyne社が買収。

  • UR3e:可搬重量3kg、リーチ500mm。小型・軽量作業向け
  • UR5e:可搬重量5kg、リーチ850mm。最も汎用的なモデル
  • UR10e:可搬重量12.5kg、リーチ1,300mm。大型ワーク対応
  • UR16e:可搬重量16kg、高可搬モデル
  • UR20:可搬重量20kg、リーチ1,750mm。2023年発売の最新モデル
  • UR30:可搬重量30kg、2024年発売。高可搬市場に参入

ファナック(日本)

産業用ロボット世界最大手。CRXシリーズでコボット市場に参入。

  • CRX-5iA:可搬重量5kg
  • CRX-10iA/L:可搬重量10kg、ロングリーチ
  • CRX-20iA/L:可搬重量20kg
  • CRX-25iA:可搬重量25kg

ファナックの強みは、既存の産業用ロボットと同じコントローラ・プログラミング環境を使用できる点です。

安川電機(日本)

産業用ロボット大手。HCシリーズで協働ロボット市場に参入。

  • MOTOMAN-HC10DTP:可搬重量10kg
  • MOTOMAN-HC20DTP:可搬重量20kg

ABB(スイス)

産業用ロボット大手。YuMiとGoFaで協働ロボット市場に参入。

  • YuMi:双腕コボット。電子部品組立に特化
  • GoFa:単腕コボット。可搬重量5kg
  • SWIFTI:可搬重量4kg。高速協働ロボット

KUKA(ドイツ)

産業用ロボット大手(現在は中国美的集団傘下)。LBR iiwaシリーズが有名。

  • LBR iiwa 7:可搬重量7kg、7軸
  • LBR iiwa 14:可搬重量14kg、7軸

主要製品比較表

主要製品比較表

主要協働ロボットを比較します。

製品 メーカー 可搬重量 リーチ 軸数 価格帯
UR5e Universal Robots 5kg 850mm 6軸 350〜400万円
UR10e Universal Robots 12.5kg 1,300mm 6軸 500〜550万円
UR20 Universal Robots 20kg 1,750mm 6軸 650〜700万円
CRX-10iA ファナック 10kg 1,249mm 6軸 400〜500万円
HC10DTP 安川電機 10kg 1,200mm 6軸 400〜450万円
GoFa ABB 5kg 950mm 6軸 300〜350万円

協働ロボットの活用事例

協働ロボットの活用事例

協働ロボットの代表的な活用事例を紹介します。

組立作業

電子機器、自動車部品、家電製品の組立工程で広く活用されています。作業者が部品供給、コボットがネジ締め・はめ込みを担当するパターンが一般的です。

事例:日産自動車:エンジン組立ラインでURシリーズを導入。作業者の負担が大きい重量部品の取り付けをコボットが担当。

パレタイジング・デパレタイジング

製品の箱詰め・積み下ろし作業の自動化。可搬重量20〜30kgのコボットが活躍しています。

事例:キリンビバレッジ:飲料製品のパレタイジングにファナックCRXを導入。24時間稼働で生産性向上。

品質検査

カメラを搭載したコボットが製品の外観検査を実施。AIビジョンと組み合わせ、不良品の自動判別を行います。

事例:村田製作所:電子部品の外観検査にコボット+AIビジョンを導入。検査精度99.9%を実現。

マシンテンディング

CNC加工機やプレス機へのワーク投入・取り出しを自動化。24時間の無人運転を実現します。

事例:中小金属加工業:URシリーズでCNC旋盤のマシンテンディングを自動化。夜間無人運転で生産量2倍。

溶接

簡易な溶接作業にコボットを活用。溶接トーチを搭載し、作業者が位置決め、コボットが溶接を担当。

導入コストとROI

導入コストとROI

協働ロボット導入の費用対効果を解説します。

初期コスト

  • コボット本体:300〜700万円/台
  • エンドエフェクタ(ハンド):30〜150万円
  • 周辺機器・架台:50〜200万円
  • システムインテグレーション:100〜500万円
  • 合計:500〜1,500万円/台(システム全体)

ランニングコスト

  • 電力:月額3,000〜5,000円程度
  • 保守・メンテナンス:年間10〜30万円
  • 消耗品:用途による

ROI計算例

作業者1名をコボットで代替した場合の試算:

  • 導入費用:800万円(コボット+システム構築)
  • 削減人件費:年間400〜500万円
  • 24時間稼働効果:生産量2〜3倍
  • 投資回収期間:1.5〜2年

補助金活用

「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「事業再構築補助金」などで、導入費用の1/3〜1/2が補助される場合があります。中小企業は積極的に活用すべきです。

導入時の注意点

導入時の注意点

協働ロボット導入で失敗しないためのポイントを解説します。

リスクアセスメントの実施

「安全柵なしで使える」と言っても、全ての作業が無条件で安全なわけではありません。ISO/TS 15066に基づくリスクアセスメントを実施し、必要に応じて速度制限やエリアセンサーの追加が必要です。

適切なエンドエフェクタの選定

コボットの性能は、先端に取り付けるエンドエフェクタ(グリッパー、ツール)に大きく左右されます。ワークに適したグリッパー選定が重要です。

システムインテグレータの選定

コボット単体を買っても、すぐに稼働できるわけではありません。システムインテグレータ(SIer)による設計・構築が必要です。経験豊富なSIerの選定が成功の鍵です。

段階的な導入

いきなり大規模導入ではなく、1台から始めて、効果検証・ノウハウ蓄積を行うことが推奨されます。

今後のトレンド

今後のトレンド

協働ロボットの今後の発展方向を解説します。

AI・ビジョンとの統合

AIビジョンによる物体認識・位置補正が標準化しつつあります。「見て判断して動く」インテリジェントコボットへの進化が進んでいます。

可搬重量の向上

従来10kg程度が主流でしたが、20〜30kgの高可搬モデルが増加。従来の産業用ロボットの領域に協働ロボットが進出しています。

移動型コボット(モバイルマニピュレータ)

AMR(自律移動ロボット)にコボットを搭載した「モバイルマニピュレータ」が登場。工場内を移動しながら複数の作業ステーションで作業が可能です。

よくある質問

よくある質問

Q. 協働ロボットは本当に安全柵なしで使えますか?

条件次第です。ISO/TS 15066に基づくリスクアセスメントを実施し、接触許容値以下で運用する場合は安全柵不要です。ただし、鋭利な工具を使用する場合や高速動作時は、追加の安全対策が必要になることがあります。

Q. プログラミングは難しいですか?

従来ロボットより格段に簡単です。Universal Robotsのダイレクトティーチング(手で導いて動作を記録)や、タブレット操作でのプログラミングが可能です。専門技術者でなくても、数時間〜数日のトレーニングで基本操作を習得できます。

Q. 中小企業でも導入できますか?

コボットは中小企業にこそ適しています。初期投資が産業用ロボットより安価で、設置スペースも小さく、プログラミングも容易です。補助金を活用すれば、300〜500万円で導入可能なケースもあります。

Q. どのメーカーを選ぶべきですか?

用途と予算によります。汎用性とエコシステムならUniversal Robots、既存のファナックロボットとの連携ならファナック、高品質な日本製ならファナック・安川電機が選択肢です。

Q. 導入にどれくらい時間がかかりますか?

シンプルな単体作業なら1〜2週間、システムインテグレーションを含む場合は2〜3ヶ月が目安です。産業用ロボットの数ヶ月〜半年に比べ、大幅に短縮されます。

まとめ

まとめ

協働ロボット(コボット)は、人間と安全に協働できる次世代の産業用ロボットです。Universal Robots、ファナック、安川電機など主要メーカーの競争により、製品選択肢が広がり、価格も下がってきています。

中小企業でも導入しやすい価格帯と簡易なプログラミング、短い導入期間が魅力です。人手不足対策、生産性向上、働き方改革の観点から、製造業のあらゆる業種で導入検討の価値があります。

https://ainow.jp/industrial-robot-guide/


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