こんにちは。AI・生成AIを経営・事業に生かすメディア「AINOW」のAINOW編集部です。ChatGPTは、その高い汎用性と強力な機能により、さまざまなビジネスシーンで活用されています。
しかし、GPT-3.5 Turbo、GPT-4、GPT-4 Turbo、GPT-4 Omniといった複数のモデルが存在し、それぞれに異なる特徴や機能、料金設定が設けられています。どのモデルが自社のニーズに最適なのかを選ぶのは容易ではありません。本記事では、ChatGPTの各モデルごとの特徴、機能、料金を一括で比較し、あなたのビジネスやプロジェクトに最適なモデル選びをサポートします。
モデルの特徴と機能
人工知能（AI）の進化はめざましく、その波はテキスト生成モデルにも及んでいます。特にOpenAIが提供するGPTシリーズは、性能・応用範囲・機能セットが日々拡張されており、モデル選びはかつてないほど複雑かつ戦略的なものとなっています。
本記事では、GPT-3.5 TurboからGPT-4、GPT-4 Turbo、GPT-4 Omni（GPT-4o）、ChatGPT o1シリーズ、さらに最新のChatGPT Proまで、主要なモデル・プランとその特徴・料金・活用例を最新情報も交えながら整理します。
DALL·E 3や音声・画像入出力対応、Canvasなど新機能の登場で、ChatGPTはかつての「単なるテキスト生成AI」から、マルチモーダルな高度ツールへと進化しています。あなたのビジネスやプロジェクトに最適なモデル選びの参考にしてみてください。
ChatGPTとその拡張機能
- 音声・画像対応（Vision & Voice機能）：ChatGPTは2023年後半から音声入力・出力、画像のアップロードと解析にも対応（一部プラン・モデル限定）。これにより、テキストだけでなく、画像を用いた説明や音声でのやりとりが可能となりました。
- DALL·E 3連携：最新のChatGPTには、DALL·E 3との連携が可能になり、プロンプトをもとに高品質な画像生成を行えます。
- Advanced Data Analysis (旧Code Interpreter)：Python環境を活用したデータ解析やファイル操作などが行える高度な機能が提供されています。
GPT-3.5 Turboの特徴と事例
GPT-3.5 Turboの基本概要
GPT-3.5 Turboは、OpenAIが開発した言語モデルであり、特に速度とコスト効率に優れた特徴を持っています。このモデルは、日常的な問い合わせや大量のアクセスを想定したチャットアプリケーションに最適化されており、基本的なテキスト生成タスクにおいても非常に効果的です。
GPT-3.5 Turboの特徴
基本的なテキスト生成能力: GPT-3.5 Turboは自然言語処理の分野で革新的な性能を示し、多様なテキスト生成タスクに対応可能です。例えば、簡単な社内文書の作成やFAQの回答など、複雑でないテキスト生成においても十分な効果を発揮します。
速度: GPT-3.5 Turboは従来のGPT-3と比較して応答速度が数倍から10倍程度速くなっており、ほぼリアルタイムでのレスポンスを実現しています。この高速な処理能力は、特にチャットボットや対話型アプリケーションにおいて重要な要素です。
コスト効率: 従量課金制を採用しており、使用するトークンの量に基づいて料金が決まります。具体的には、入力トークンが1Mトークンあたり$0.50、出力トークンが1Mトークンあたり$1.50という料金体系です。2024年2月には料金が改定され、入力価格が50%減の$0.0005/1Kトークン、出力価格が25%減の$0.0015/1Kトークンとなりました。
適用例
- カスタマーサポート: チャットボットとして顧客の問い合わせに迅速に対応。
- 基本的なテキスト生成: 簡単な記事作成やSNS投稿の自動生成。
GPT-4の特徴と事例
特徴
GPT-4は、より高度な理解力を持つモデルです。複雑な質問や高度な文脈理解が求められるタスクに対応可能で、文脈の整合性や一貫性に優れています。これにより、より精緻なコミュニケーションやコンテンツ生成が可能となります。
適用例
- 高度なコンテンツ作成: 専門的な記事やレポートの作成。
- 複雑なデータ分析: 多層的なデータの解釈や洞察の提供。
GPT-4 Turboの特徴と事例
特徴
GPT-4 Turboは、GPT-4の改良版として開発され、速度とコストのバランスが最適化されています。さらに、128,000トークンの広大なコンテキストウィンドウを持ち、大量のデータを一度に処理する能力があります。これにより、複雑なプロジェクトや大規模なデータセットの処理が効率的に行えます。
適用例
- 大規模なデータ処理: ビッグデータの分析や大量のテキストデータの整理。
- リアルタイムの応答システム: 高速なレスポンスが求められるアプリケーションでの利用。
GPT-4 Omni (GPT-4o)の特徴と事例
特徴
GPT-4 Omni（GPT-4o）は、最新のマルチモーダルモデルとして開発されました。テキストだけでなく、画像認識機能も備えており、テキストと画像の両方を処理できる能力を持っています。これにより、より多様なアプリケーションに対応可能となり、複合的なデータの理解と生成が実現します。
適用例
- マルチメディアコンテンツの生成: 画像とテキストを組み合わせたコンテンツの自動生成。
- 視覚的データ解析: 画像データを含む複雑な情報の解析と報告。
GPTシリーズは、それぞれ異なる強みを持つモデルが揃っており、用途に応じて最適な選択が可能です。GPT-3.5 Turboはコスト効率と速度を重視するシンプルなタスクに最適であり、GPT-4は高度な理解力を必要とする複雑なタスクに適しています。
GPT-4 Turboは、大量のデータ処理とコストバランスを求めるプロジェクトに、そして最新のGPT-4 Omniは、マルチモーダルなアプリケーションや複合的なデータ処理に最適です。あなたのニーズに最も合ったGPTモデルを選び、ビジネスやプロジェクトの成功に役立ててください。
ChatGPT o1の機能・特徴・事例
特徴
ChatGPT o1は、特に理数科目やコーディングに強化された新しい大規模言語モデルです。推論トークンを活用して思考過程を深めることで、より複雑な問題に対応できる能力を持っています。このモデルは、高度な数学的問題やプログラミングタスクにおいて優れた性能を発揮します。
機能
- 専門的な理数科目対応: 数学オリンピック予選問題など、高度な理数科目において高い正答率を示します。
- コーディング支援: 複雑なプログラミング問題に対しても正確な解答を提供。
- プロンプトインジェクション耐性: セキュリティ面での強化が図られており、不正なプロンプトによる操作を防止します。
料金
ChatGPT o1はChatGPT PlusやTeamプランで利用可能です。
- 入力料金: $15.00/1Mトークン
- 出力料金: $60.00/1Mトークン
ユースケース
- 高度な数学問題解決: 大学レベルの数学や科学の問題解決に最適。
- プログラミング支援: ソフトウェア開発におけるコード生成やデバッグ支援。
- 研究開発: 複雑な理数系の研究プロジェクトでの活用。
現在の提供がない元々のモデルはこちら。
ChatGPT o1 miniの機能・特徴・事例
特徴
ChatGPT o1 miniは、o1の小型版であり、コスト効率を重視して設計されています。理数科目に特化している一方で、他の知識領域は削減されており、特定のニーズに対応するための最適な選択肢です。
機能
- 高速な出力: 出力速度が約3～5倍高速で、迅速なレスポンスが可能。
- 高性能維持: 小型版ながら、数学オリンピック予選問題でも高い正答率を維持。
- コスト効率: 必要最低限の機能に特化することで、運用コストを削減。
料金
ChatGPT o1 miniは非常にリーズナブルな価格設定です。
- 入力料金: $3.00/1Mトークン
- 出力料金: $12.00/1Mトークン
ユースケース
- 教育機関での利用: 学生の学習支援や教育プログラムでの活用。
- 学生向けツール: 自習や宿題のサポートとしての利用。
- コスト重視のプロジェクト: 予算が限られているプロジェクトでの活用。
GPT-4oの機能・特徴・事例
特徴
GPT-4oは最新のマルチモーダルモデルであり、テキストと画像を同時に処理できる能力を持っています。特にリアルタイム編集機能が強化されており、ユーザーとのインタラクションがよりスムーズに行えます。
機能
- マルチモーダル処理: テキストと画像の同時処理が可能で、多様なデータ形式に対応。
- Canvas機能: 文章やコードを直接編集しながらAIからフィードバックを受け取れるインターフェース。
- リアルタイム編集: ライティングやコーディング作業を効率化するための即時フィードバック。
料金
GPT-4oの利用にはChatGPT Plusプランが必要であり、料金体系は従量課金制となっています。
- 詳細な料金情報はOpenAIの公式サイトを参照してください。
ユースケース
- プロジェクト提案書作成: 詳細な提案書や計画書の作成を支援。
- マーケティングキャンペーン最適化: 効果的なマーケティング戦略の立案と実行。
- ソフトウェア開発: コーディング作業の効率化やバグ修正の支援。
- カスタマーサポート: 顧客対応の自動化と品質向上。
GPT-4o with Canvasの機能・特徴・事例
特徴
GPT-4o with Canvasは、GPT-4oの新しいインターフェース「Canvas」を搭載したモデルです。ユーザーとAIが共同作業を行うための環境を提供し、リアルタイムで文章やコードを編集できる点が大きな魅力です。
機能
- 共同編集環境: ユーザーとAIが同時に作業を進めることができ、効率的なコラボレーションを実現。
- 自動トリガー機能: 特定のトリガーワードによって自動的にCanvasが起動し、指定部分の修正をサポート。
- バージョン管理: 作業の履歴を管理し、安全に試行錯誤を行うことが可能。
料金
Canvas機能はChatGPT Plus、Team、Enterprise、Eduプランのユーザー向けに提供されており、追加料金は発生しません。
ユースケース
- ライティング作業: 文章の共同執筆や編集作業を効率化。
- コーディング作業: 複数人でのソフトウェア開発プロジェクトにおけるコードレビューや修正。
- チームプロジェクト: 多人数での共同作業が必要なプロジェクトでの活用。
- クリエイティブな作業: デザインやコンテンツ制作におけるアイデア出しと実装の支援。
OpenAIが発表した最新モデル、ChatGPT o1、ChatGPT o1 mini、GPT-4o、GPT-4o with Canvasは、それぞれ異なる強みと特性を持ち、さまざまなビジネスニーズに対応しています。
高度な理数科目やコーディング支援が必要な場合はChatGPT o1やChatGPT o1 miniが最適であり、マルチモーダルなデータ処理やリアルタイム編集が求められる場合はGPT-4oとCanvas機能が有効です。
ChatGPT Proの機能・特徴・事例
ChatGPT Proは、OpenAIが提供する最新かつ最も高度なAIモデルへの無制限アクセスを提供する月額200ドルのプランです。このプランは特に研究者やエンジニア向けに設計されており、高度な問題解決能力を必要とするユーザーに最適です。
特徴と機能
- o1 Proモード: 通常のo1よりも深い思考と高い精度を実現し、特にデータサイエンスやプログラミング、科学研究などの分野で優れた性能を発揮します。
- 無制限アクセス: OpenAIのo1、o1-mini、GPT-4o、Advanced Voiceなどへの無制限アクセスが可能です。これにより、複雑な問題解決や長時間の解析作業も円滑に進めることができます。
- 高度な音声機能: Advanced Voiceへの無制限アクセスも含まれており、音声入力や出力を活用したアプリケーションにも対応しています。
- 進捗バー: o1 Proモードでは処理状況を確認できる進捗バーがあり、他の会話に切り替えた場合でも完了時に通知が届きます。
料金
- 月額200ドル: ChatGPT Proプランは月額200ドルで提供されており、日本円で約3万円相当です。この価格にはo1 Proモードの利用が含まれています。
ユースケース
- 研究者やエンジニア向け: 特に高度な計算や複雑なタスクを頻繁に行うユーザーに適しており、例えば数学オリンピック予選問題や科学的質問への対応で高い正答率を示しています。
- ビジネスシーンでの活用: プロジェクト提案書作成やマーケティングキャンペーンの最適化など、多様なビジネスシーンでも活用されています。また、ソフトウェア開発やカスタマーサポートにも適しています。
このように、ChatGPT Proはその高性能と多機能性から、多くの専門家や研究者にとって非常に価値のあるツールとなっています。
ChatGPT ProのSoraを活用した動画作成を編集部でおこなってみた流れをご紹介しています。
各モデルごとの料金体系
ChatGPTには複数のモデルがあり、それぞれ異なる料金体系とトークン消費があります。以下に、各モデルの料金とトークン数を表形式でまとめました。
| モデル | 入力料金/1Mトークン | 出力料金/1Mトークン | コンテキストウィンドウ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-3.5 Turbo | $0.50 | $1.50 | 16,000トークン | コスト効率・高速応答 |
| GPT-4 | $30.00 | $60.00 | 8,192トークン | 高度な理解力・整合性 |
| GPT-4 Turbo | $10.00 | $30.00 | 128,000トークン | 大量データ処理・コスパ良好 |
| GPT-4o | $5.00 | $15.00 | 128,000トークン | マルチモーダル・リアルタイム編集 |
| ChatGPT o1 | $15.00 | $60.00 | 非公開 | 理数・コーディング特化 |
| ChatGPT o1 mini | $3.00 | $12.00 | 非公開 | コスト重視・高速応答 |
| ChatGPT Pro（o1 Pro等） | 月額$200 | – | – | 無制限アクセス、最高性能 |
※価格や機能は一例であり、最新情報はOpenAI公式サイトをご確認ください。
各モデルの特徴
- GPT-3.5 Turbo: 高速でコスト効率が良く、シンプルなタスクに適しています。特にカスタマーサポートや基本的なテキスト生成に向いています。
- GPT-4: より高度な理解力を持ち、複雑な質問への対応が可能です。文脈の理解や整合性の面で優れています。
- GPT-4 Turbo: GPT-4の改良版で、速度とコストのバランスが取れています。128,000トークンのコンテキストウィンドウを持ち、大量のデータを処理する際に有利です。
- GPT-4o: 最新のマルチモーダルモデルであり、テキストと画像を同時に処理できる能力があります。特にリアルタイム編集機能が強化されています。
- GPT-4o mini: o1 miniはo1の小型版であり、コスト効率が高く設計されています。理数科目に特化しており、それ以外の知識は削減されています。
- GPT Pro: OpenAIが提供する最新かつ最も高度なAIモデルへの無制限アクセスを提供する月額200ドルのプランです。
2025年1月にChatGPT o3モデルのリリースを示唆
本モデルは「Deliberative Alignment」という新手法を採用し、あらかじめ教え込んだ安全ガイドラインを自ら参照して回答前に論理的に検討（チェーン・オブ・ソート）を行うことで、安全かつ柔軟に利用できる点が特長です。従来の「ルールを例示から推測する」方式より精度が高く、厳しいコンプライアンス要件にもしっかり対応できるため、ビジネスでも個人ユースでも安心して活用できます。
結論
- シンプルな用途・低コスト志向：GPT-3.5 Turbo
- 高度な文脈理解・専門性重視：GPT-4
- 大量データ処理・コストバランス重視：GPT-4 Turbo
- マルチモーダル＋高度編集機能：GPT-4o / GPT-4o with Canvas
- 理数・コーディング特化：ChatGPT o1（性能優先）/ ChatGPT o1 mini（コスト重視）
- 制約なく最高性能を追求：ChatGPT Pro
ビジネス規模、プロジェクトの複雑性、予算、必要なメディアタイプ（テキスト・画像・音声）によって最適なモデルは異なります。最新機能を駆使したい場合はGPT-4oやProプランを、低コストで日常的に大規模運用したい場合はGPT-3.5 Turboやo1 miniといった選択肢もあります。
生成AIやChatGPTを上手に活用することで、ビジネスオペレーションや開発効率、コンテンツ生産性を大幅に向上できます。ぜひ本記事を参考に、あなたのニーズに最適なモデルを見つけてください。
