AGV・AMRとは?違いと選び方、主要メーカー、導入コストを徹底解説【2026年最新】

AGV・AMRとは?違いと選び方、主要メーカー、導入コストを徹底解説【2026年最新】 AIサービス・モデル

AGV(無人搬送車)とAMR(自律走行ロボット)は、製造業・物流業の自動化を支える移動ロボットです。本記事では、AGVとAMRの違い、導入メリット、主要メーカー、選定ポイント、導入コストまで徹底解説します。

AGV・AMRとは

AGV・AMRとは

AGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)とAMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行ロボット)は、工場や倉庫で荷物を自動搬送する移動ロボットです。人手不足の解消と物流効率化を実現する技術として、製造業・物流業で急速に普及しています。

AGVとは

AGV(無人搬送車)は、床面に設置された磁気テープや誘導線に沿って走行する搬送ロボットです。1950年代に登場した歴史ある技術で、決まったルートを正確に走行することに特化しています。

  • 誘導方式:磁気テープ、誘導線、反射板などのガイドに従う
  • 経路:固定ルートのみ走行
  • 導入コスト:比較的低コスト(ガイド設置費用は必要)
  • 柔軟性:ルート変更には物理的な工事が必要

AMRとは

AMR(自律走行ロボット)は、LiDAR、カメラ、SLAMなどの技術を使い、自律的に環境を認識して走行するロボットです。AIによる経路計画で障害物を自動回避し、柔軟なルート設定が可能です。

  • 自律航法:SLAM(自己位置推定と地図作成の同時実行)で環境を認識
  • 経路:動的に最適ルートを計算
  • 導入コスト:AGVより高価(ガイド工事は不要)
  • 柔軟性:ソフトウェア設定でルート変更可能

AGVとAMRの違い

AGVとAMRの違い

AGVとAMRは用途や環境によって使い分けが必要です。それぞれの特徴を比較します。

技術的な違い

項目 AGV AMR
誘導方式 ガイド追従(磁気テープ等) 自律航法(SLAM等)
経路変更 物理的工事が必要 ソフトウェア設定で対応
障害物対応 停止して待機 自動で迂回
初期設定 ガイド敷設が必要 環境スキャンのみ
拡張性 ガイド追加工事が必要 ソフトウェアで拡張可能

コスト比較

コスト項目 AGV AMR
本体価格 100〜500万円 300〜1,500万円
インフラ設置 50〜200万円(ガイド工事) ほぼ不要
ルート変更 追加工事費用 ソフトウェア費用のみ
保守費用 ガイド補修含む ソフトウェア更新中心

選定の目安

AGVが適する環境

  • 固定ルートでの定型作業
  • 人や障害物の少ない環境
  • 初期投資を抑えたい場合
  • 大量の荷物を決まったルートで運搬

AMRが適する環境

  • 頻繁にレイアウト変更がある
  • 人と協働する環境
  • 障害物が多い複雑な環境
  • 柔軟性・拡張性を重視する場合

AGV・AMRの種類

AGV・AMRの種類

用途に応じて様々なタイプのAGV・AMRがあります。

牽引型

台車やカートを牽引して搬送するタイプ。大量の荷物を一度に運べ、既存の台車を活用できるメリットがあります。

  • 積載量:500kg〜数トン
  • 用途:部品供給、製品搬送、原材料運搬
  • 特徴:複数台車の連結走行が可能

フォーク型

パレットを持ち上げて搬送するフォークリフトタイプ。高所への積み下ろしが可能で、倉庫での利用に適しています。

  • 積載量:1〜3トン
  • 揚高:最大10m以上
  • 用途:パレット搬送、棚入れ・棚出し

コンベア型

上部にコンベアを搭載し、荷物の受け渡しを自動化。製造ラインとの連携に優れています。

  • 積載量:100kg〜1トン
  • 用途:製造ライン間搬送、自動倉庫連携
  • 特徴:停止せずに荷物を受け渡し可能

ピッキング型(GTP)

Goods-to-Person(GTP)方式で、棚ごと作業者のもとへ運ぶタイプ。Amazon Robotics(旧Kiva)が代表例です。

  • 積載量:300〜1,500kg
  • 用途:EC物流、ピッキング作業効率化
  • 特徴:作業者の歩行距離を大幅削減

主要メーカー比較

主要メーカー比較

AGV・AMR市場の主要プレイヤーを紹介します。

ダイフク(日本)

マテハン(マテリアルハンドリング)世界トップの日本企業。AGVからAMRまで幅広いラインナップを持ち、自動倉庫との統合ソリューションに強みがあります。

  • 主力製品:FAシステム、STV(ソーティング搬送車)
  • 強み:大規模物流センターの一括構築
  • 導入実績:自動車、半導体、EC物流など幅広い業界

村田機械(日本)

半導体・液晶工場向けクリーンルーム搬送システムで世界トップクラス。高精度・高信頼性が求められる環境に強みを持ちます。

  • 主力製品:MURATEC AGV、クリーンルーム搬送
  • 強み:半導体・FPD業界での実績
  • 特徴:超高精度位置決め技術

KUKA(ドイツ)

産業用ロボット大手のKUKAは、AMR分野でも存在感を示しています。協働ロボットとの連携ソリューションが特徴です。

  • 主力製品:KMP(KUKA Mobile Platform)
  • 強み:ロボットアームとの統合
  • 特徴:自動車産業での豊富な実績

MiR(デンマーク)

Mobile Industrial Robots社は、AMR専業メーカーとして急成長。使いやすさと柔軟性で中小企業にも人気です。2018年にテラダイン社が買収。

  • 主力製品:MiR100、MiR250、MiR600、MiR1350
  • 強み:直感的なUIと簡単な導入
  • 特徴:プラグアンドプレイで即日稼働可能

Locus Robotics(アメリカ)

EC物流向けピッキング支援AMRで急成長。人とロボットの協働を前提とした設計で、ピッキング効率を2〜3倍に向上させます。

  • 主力製品:LocusBots
  • 強み:EC物流での圧倒的実績
  • 特徴:RaaS(Robot as a Service)モデル

Geek+(中国)

世界最大級のAMRメーカー。GTP(棚搬送)ロボットで世界シェアトップクラス。低価格と大量展開能力が強みです。

  • 主力製品:P-Series(棚搬送)、M-Series(搬送)
  • 強み:大規模展開とコストパフォーマンス
  • 導入実績:ニトリ、ZARA、Decathlonなど

主要製品比較表

主要製品比較表

代表的なAMR製品を比較します。

製品 メーカー 積載量 特徴 価格帯
MiR250 MiR 250kg コンパクト、高い汎用性 500〜800万円
MiR600 MiR 600kg パレット搬送対応 800〜1,200万円
LocusBot Locus Robotics 40kg ピッキング特化、RaaS 月額利用
P-500 Geek+ 500kg 棚搬送(GTP) 300〜500万円
KMP 600 KUKA 600kg ロボットアーム連携 1,000万円〜

導入メリット

導入メリット

AGV・AMR導入による具体的な効果を解説します。

人手不足の解消

物流・製造業では慢性的な人手不足が課題です。AGV・AMRは24時間365日稼働可能で、搬送作業の自動化により人員配置を最適化できます。

  • 搬送作業の削減:70〜90%の作業を自動化
  • 人員の再配置:付加価値の高い作業に集中
  • 繁閑対応:需要に応じたロボット台数調整

作業効率の向上

AMRによるピッキング支援では、作業者の歩行距離を大幅に削減。1人あたりの処理能力が2〜3倍に向上する事例が多数報告されています。

  • 歩行距離削減:60〜80%減
  • ピッキング効率:2〜3倍向上
  • 出荷リードタイム:50%以上短縮

安全性の向上

重量物の運搬やフォークリフト作業は事故リスクが高い作業です。AGV・AMRの導入により、労働災害を大幅に削減できます。

  • 衝突センサー:障害物検知で自動停止
  • 速度制限:人検知時に減速
  • 経路分離:人とロボットの動線分離

トレーサビリティの強化

AGV・AMRは搬送履歴をデータとして記録。WMS(倉庫管理システム)やMES(製造実行システム)と連携し、リアルタイムの在庫・進捗管理を実現します。

導入ステップ

導入ステップ

AGV・AMR導入を成功させるためのステップを解説します。

Step 1: 現状分析

  • 現在の搬送作業の棚卸し
  • 搬送量・頻度・距離の計測
  • 課題と目標の明確化
  • ROI試算の前提条件整理

Step 2: 製品選定

  • AGVとAMRの選択
  • 積載量・走行速度の決定
  • 必要台数のシミュレーション
  • 複数メーカーの比較検討

Step 3: PoC(実証実験)

  • 1〜3台での小規模検証
  • 実環境での稼働テスト
  • 課題抽出と解決策検討
  • 本導入の投資対効果検証

Step 4: 本導入

  • 段階的な台数拡大
  • 既存システム(WMS等)との連携
  • 運用ルールの策定
  • オペレーター教育

Step 5: 運用最適化

  • 稼働データの分析
  • 経路・タスク配分の最適化
  • 追加導入の検討
  • ROI検証と改善

導入コストとROI

導入コストとROI

AGV・AMR導入の費用対効果を解説します。

初期コスト

項目 AGV AMR
本体(1台) 100〜500万円 300〜1,500万円
インフラ設置 50〜200万円 10〜50万円
システム連携 100〜500万円 100〜500万円
導入支援・教育 50〜100万円 50〜100万円

ランニングコスト

  • 保守契約:年間 本体価格の5〜10%
  • 電気代:1台あたり 月額 3,000〜5,000円
  • 消耗品:バッテリー交換(3〜5年毎)
  • ソフトウェア更新:年間 20〜50万円

ROI試算例

年間搬送コスト5,000万円の倉庫でAMR 10台を導入した場合:

  • 初期投資:6,000万円(本体+システム連携)
  • 年間コスト削減:3,000万円(人件費60%削減)
  • 年間ランニングコスト:500万円
  • 年間純削減額:2,500万円
  • 投資回収期間:約2.4年

RaaS(Robot as a Service)モデル

初期投資を抑えたい場合、月額利用モデル(RaaS)も選択肢です。

  • 月額:1台あたり 20〜50万円
  • 含まれるもの:本体、保守、ソフトウェア
  • メリット:初期投資ゼロ、柔軟な台数調整
  • 提供企業:Locus Robotics、Fetch Robotics、rapyuta roboticsなど

最新トレンド

最新トレンド

AGV・AMR市場の最新動向を解説します。

AI・機械学習の活用

AIによる経路最適化、需要予測、異常検知が進化。複数台の協調制御も高度化し、フリート全体の効率を最大化しています。

  • 経路最適化:リアルタイムの交通状況を反映
  • 需要予測:注文パターンから最適配置を予測
  • 異常検知:故障の予兆を検知し予防保守

5G対応

5G通信により、低遅延・大容量の通信が可能に。リアルタイムの遠隔監視・制御や、高精度な位置情報の共有が実現しています。

マルチロボット協調

異なるメーカーのロボットを統合制御する「ロボットオーケストレーション」が注目されています。VDA 5050などの標準規格の普及も進んでいます。

協働ロボットとの連携

AMRの上に協働ロボット(コボット)を搭載した「モバイルマニピュレータ」が登場。搬送だけでなく、ピッキングや組立作業も自動化できます。

よくある質問

よくある質問

Q. AGVとAMRはどちらを選ぶべきですか?

固定ルートで大量搬送ならAGV、柔軟性や拡張性を重視するならAMRがおすすめです。最近は価格差が縮まり、AMRを選ぶケースが増えています。

Q. 既存の倉庫にAMRを導入できますか?

はい、可能です。AMRはガイド工事不要で、既存の環境をスキャンするだけで導入できます。通路幅や床面状態の確認は必要です。

Q. 人とロボットは共存できますか?

AMRは安全センサーを搭載しており、人を検知すると減速・停止します。適切な運用ルールを設定すれば、人とロボットの協働は十分に可能です。

Q. 導入にどのくらいの期間がかかりますか?

AGVは2〜6ヶ月(ガイド工事含む)、AMRは1〜3ヶ月が目安です。PoC(実証実験)を経て本導入する場合は、全体で6〜12ヶ月を見込みます。

Q. メンテナンスは大変ですか?

定期点検(月次〜四半期)と消耗品交換が主な作業です。最近のロボットは遠隔監視・診断機能を備えており、異常を早期発見できます。

まとめ

まとめ

AGV・AMRは、製造業・物流業の人手不足を解消し、効率と安全性を高める重要な技術です。AGVは固定ルートの大量搬送、AMRは柔軟な環境対応と、それぞれの特性を理解した上で選定することが重要です。

近年はAMRの価格低下とRaaSモデルの普及により、中小企業でも導入しやすくなっています。まずはPoCで小規模検証を行い、段階的に拡大していくアプローチがおすすめです。

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