AINOW(エーアイナウ)編集部です。2025年に登場したMotorolaの最新折りたたみスマートフォン「Razr」シリーズ。特に注目を集めているのが、AI機能を大幅に強化した新モデルです。本記事では、RazrとRazr Ultraの2モデルを徹底レビュー。デザイン性の高さと使いやすさを両立させた折りたたみスマホの実力と、AI機能の過剰な実装による課題について詳しく解説します。折りたたみスマホ市場で存在感を増すMotorolaの最新作は、果たしてユーザーの期待に応えられるのか。その実力を検証していきます。
この記事のサマリー
- Motorola Razr 2025シリーズの基本性能と特徴を徹底解説
- AI機能の過剰な実装による使いやすさへの影響を検証
- 折りたたみスマホとしての実用性と価格に見合う価値について考察
Motorola Razr 2025の基本性能と特徴

洗練されたデザインと使いやすさ
Motorola Razr 2025シリーズは、折りたたみスマートフォンとしての使いやすさを追求した設計が特徴です。本体は開いた状態で73.99 x 171.30 x 7.25mmと、スリムで持ちやすい形状を実現。折りたたみ時の厚さは15.85mmと、ポケットに収納しやすいサイズ感を維持しています。特に注目すべきは、パントーンカラーを採用したバックパネルのデザインです。木目調、ビーガンレザー、合成ファブリックなど、様々な素材を選択可能で、高級感のある見た目を実現しています。
ボタンの配置も使いやすさを考慮した設計となっています。電源ボタンには指紋センサーが内蔵されており、折りたたみ状態でも素早く認証が可能です。ただし、電源ボタンに若干のガタつきが見られる点は、今後の改善が期待されます。Razr UltraにはAI機能専用のボタンが追加されていますが、この配置については後ほど詳しく解説します。
高性能なディスプレイ
Razr Ultraモデルは7インチの折りたたみOLEDを搭載し、2992×1224の高解像度を実現。最大輝度は4,500ニトと、屋外での視認性も確保しています。通常モデルは6.9インチの2640×1080解像度で、最大輝度3,000ニトを実現。どちらも120Hz以上のリフレッシュレートをサポートし、スムーズな画面表示が可能です。
外側のディスプレイも十分な大きさを確保しています。Razr Ultraは4インチ、通常モデルは3.6インチと、折りたたみ状態でも快適な操作が可能です。特にメッセージの返信や通知の確認など、基本的な操作は折りたたみ状態で完結できます。また、カメラアプリも外側ディスプレイで使用可能で、自撮り時にも便利です。
折りたたみ機構の進化
2025年モデルでは、チタン製の強化ヒンジを採用し、耐久性を向上させています。折りたたみ時の動作は滑らかで、任意の角度で固定可能。磁石による閉じる際のスナップ感も心地よく、使い心地の向上に貢献しています。ただし、SamsungやGoogleの最新モデルと比較すると、画面の折り目(クリーズ)は若干目立つ傾向にあります。
AI機能の実装と課題

過剰なAI機能の実装
Motorola Razr 2025シリーズの最大の特徴は、AI機能の大幅な強化です。Gemini、Meta Llama、Perplexity、Microsoft Copilotなど、複数のAIモデルを搭載していますが、その実装方法には課題があります。特に「Catch Me Up」機能は、通知の要約を行う機能ですが、プライバシー面での懸念が指摘されています。Razr Ultraではローカルで処理を行いますが、通常モデルではクラウドサーバーにデータを送信する必要があります。
AI機能の実装は、以下のような特徴があります:
- Ask and SearchバーがUI全体に表示され、時には邪魔になる
- AIボタンの配置が最適化されていない
- 複数のAIモデルの切り替えが複雑
- クラウド処理によるプライバシーリスク
AI機能の使いやすさ
AI機能は充実していますが、使いこなすのが難しいという声も。特に以下の点が課題として挙げられます:
1. 通知要約機能「Catch Me Up」
Razr UltraではLlama 3モデルを使用したローカル処理が可能ですが、通常モデルではクラウドサーバーにデータを送信する必要があります。Motorolaはデータの匿名化とセキュリティを強調していますが、プライバシー面での懸念は拭えません。
2. Perplexity統合
画面の内容に基づいた検索機能を提供しますが、有料サービスの試用期間が含まれており、長期的な利用には追加コストが発生します。
3. 会話録音・要約機能
Google Recorderアプリと同様の機能を提供しますが、クラウド処理を採用しているため、プライバシー面での配慮が必要です。
カメラ性能と撮影機能

メインカメラの性能
Razr Ultraは50MPのメインカメラと50MPの超広角カメラを搭載。通常のRazrは50MPのメインカメラと13MPの超広角カメラを採用しています。特に自撮り機能は折りたたみスマホならではの利点を活かし、メインカメラを使用した高品質な自撮りが可能です。
カメラの性能を詳しく見ていきましょう:
- メインカメラ:50MP、f/1.7(Ultra)/ f/1.8(通常)、OIS搭載
- 超広角カメラ:50MP(Ultra)/ 13MP(通常)
- 自撮りカメラ:50MP(Ultra)/ 32MP(通常)
撮影機能の特徴
パントーンとの協業により、色再現性の高い写真を実現。ただし、動きの速い被写体の撮影には課題が残ります。シャッターラグが比較的長く、特に屋内での動きの速い被写体の撮影は難しい状況です。
撮影機能の特徴:
- パントーンカラーによる正確な色再現
- 折りたたみを活かした自撮り機能
- 超広角カメラによる広角撮影
- 夜景モードによる暗所撮影
バッテリー性能と充電

バッテリー容量と使用時間
Razr Ultraは4,700mAh、通常モデルは4,500mAhのバッテリーを搭載。折りたたみスマホとしては十分な容量を確保していますが、1日分の使用が限界です。特にRazr Ultraは高性能なSnapdragon 8 Eliteチップを搭載しているため、バッテリー消費が激しい傾向にあります。
バッテリー性能の詳細:
- Razr Ultra:4,700mAh、68W充電
- 通常Razr:4,500mAh、30W充電
- ワイヤレス充電:両モデルとも15W対応
充電性能
Razr Ultraは68Wの高速充電に対応し、数分の充電で外出可能なレベルまで回復します。これはGoogle、Samsung、Appleのフラッグシップモデルを上回る充電速度です。ただし、充電器は別売りとなっており、追加コストが発生します。
総評と購入の判断

価格に見合う価値
Razr Ultraは1,299.99ドル、通常モデルは699.99ドルと、高価格帯に位置します。特にRazr Ultraは、Samsung Galaxy S25 Ultraと同価格帯であり、カメラ性能やアップデート期間の面で劣ります。Motorolaは3年間のOSアップデートと4年間のセキュリティパッチを提供しますが、SamsungやGoogleの7年間のサポートと比較すると見劣りします。
購入を検討すべき人
折りたたみスマホのデザイン性と使いやすさを重視する人にはおすすめです。特に通常モデルは、折りたたみスマホの基本的な機能を備えながら、比較的手頃な価格で購入可能です。ただし、AI機能の過剰な実装には注意が必要です。
以下のような人におすすめです:
- デザイン性を重視する人
- ポケットに収まるコンパクトなスマホを求める人
- 自撮りを頻繁に行う人
- AI機能を積極的に活用したい人
今後の展望
Motorola Razr 2025シリーズは、折りたたみスマホとしての基本的な機能は十分に備えていますが、AI機能の実装方法には改善の余地があります。特に以下の点が今後の課題として挙げられます:
- AI機能の最適化と使いやすさの向上
- プライバシー面での配慮
- アップデート期間の延長
- カメラ性能の向上
折りたたみスマホ市場は今後も成長が期待される分野です。Motorolaがこれらの課題を解決し、より魅力的な製品を提供できるかが、今後の成功の鍵となるでしょう。